新年辞 - 尹錫悦政権を終息させ自主・平和の新時代をきり開こう

2025新年辞 - 尹錫悦政権を終息させ自主・平和の新時代をきり開こう

在日韓国民主統一連合 議長 孫亨根


新年あけましておめでとうございます。


尹錫悦の終息と大改革へ

 尹錫悦政権の政敵抹殺のための親衛クーデタである12・3内乱は失敗しました。市民たちの決死的な行動によって戒厳軍の国会封鎖が阻止されるなかで、国会で戒厳令解除の決議が行われ、尹錫悦のクーデタは挫折したのです。民主主義を守るための市民の勇敢な行動に称賛の声が世界に広まりました。私たちは、祖国の市民たちの勇敢な行動に、海外同胞として限りない民族的誇りを感じます。違憲・不法12・3戒厳令を厳しく糾弾する圧倒的な国民の声を背景に、国会は12月14日、尹錫悦に対する弾劾追訴を決議しました。

 尹錫悦の大統領職は停止しましたが、罷免するためには憲法裁判所の判定が必要です。また別途、合同捜査機関によって尹錫悦の内乱罪容疑の捜査も進められています。憲法裁判所が尹錫悦大統領の罷免を早期に決定するよう、また捜査機関が内乱主犯である尹錫悦を早期に拘束、起訴するよう私たちは声をより一層高めて行かなければなりません。

 一心同体で尹錫悦の悪政を支え続けてきた与党「国民の力」は、12・3内乱以降も尹錫悦を擁護し続けています。尹錫悦の内乱共犯者である国民の力は、解体しなければなりません。

 野党と「尹錫悦即時退陣・社会大改革非常行動」など市民社会団体は、憲法裁判所の罷免判定を今年2月までに出すよう要求しています。罷免判定が出れば、その2か月後に大統領選挙が実施されます。新政権が登場するまでの過渡期の数か月間が非常に重要です。この期間に、尹錫悦政権を完全に終息させるとともに、社会の大改革を強力に推進しなければなりません。


12・3内乱、米国と日本には打撃

 米国政府は12・3戒厳令宣布を事前に知らなかったと言い張っています。また戒厳令解除に対しブリンケン国務長官は「歓迎する」と述べました。米国は尹政権の中枢に情報網をめぐらせているうえに、何よりも韓国軍の作戦指揮権を掌握しています。その米国が12・3戒厳に対して、事前に情報を察知していなかったというのは、にわかに信じることができません。12・3内乱時、戒厳軍のヘリ機がソウル上空を旋回しましたが、これは米軍の了解なくしては絶対に不可能な行為です。

 米国は12・3戒厳令を批判していますが、それは失敗したからであって、逆に戒厳令が成功していた場合には、それを是認したのではないかという疑念が拭えません。

 日本政府は、12・3内乱に対して、石破茂首相が「重大な関心をもって注視している」「日韓や日米韓の協力体制を維持、強化していきたい」と発言したように、尹政権の没落によって、韓日関係「改善」や韓米日軍事同盟体制が動揺することを非常に怖れています。

 尹政権の崩壊は日本の過去清算にふたをしながら、韓米日軍事同盟を推進してきた米日両政府にとって大きな打撃となりました。                  


韓米日軍事同盟・韓日軍事協力に反対する

 尹錫悦は、アジア版NATOを構築しようとする米国の要求を無条件に受け入れ韓米日軍事同盟化を推進し、そのために、日本の過去清算の不履行に免罪符を与えました。

 尹錫悦の朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)に対する敵視政策は過去のどの政権よりも強硬なものでした。さらに尹錫悦が朝鮮との戦争を起こし、戦争状態のなかで政権危機から脱出しようともくろんんでいたことが明らかになっています。昨年10月、金龍賢国防長官(当時)が昨年10月にピョンヤンへ無人機を投入しただけでなく、軍部に朝鮮への爆撃を指示していたことが明らかになりました。さすがに爆撃は軍幹部が拒否したため、辛うじて事なきを得ました。一方、韓国軍部のピョンヤンへの無人機投入という露骨な挑発にもかかわらず、尹政権の挑発に乗らなかった朝鮮指導部の冷静さが際立っています。

 私たちは、2年半にわたる尹政権の従米・対日屈辱外交、韓米日軍事同盟化、対北敵視政策の根本的な転換を求めます。


国家保安法を撤廃せよ

 尹錫悦は特に野党の有力政治家である民主党の李在明代表を標的にした悪らつな弾圧を加えました。尹錫悦の忠僕である検察が、李代表にありもしない罪をでっち上げたことで、いまだにに李代表は一定の有罪判決が出れば大統領選挙出馬が不可能になるというリスクを抱えています。

 また尹錫悦は市民や労働者、野党に対してまでも「反国家勢力」のレッテルを貼り、悪らつで執ような治安弾圧を行ってきましたが、特に進歩的な市民社会団体や活動家に対して、国家保安法違反を口実にした弾圧を加えました。私たちは尹錫悦の不当な治安弾圧が完全に清算されると同時に、弾圧の根拠となっている国家保安法の撤廃を強く要求します。


反米闘争強化、自主権確立

 1987年の民主化以降、韓国では民主政権と保守政権がほぼ交互に政権を担ってきました。民主化闘争によって保守政権は終息すべきでしたが、民主化後も保守政権はしぶとく生き残ってきました。冷戦体制に寄生する保守勢力は、冷戦体制が存続する限り、今後も生き残ろうとするでしょう。

 近年、朝鮮半島は新冷戦の渦中に放り込まれるなかで、尹錫悦政権=保守政権が蘇りました。米国は朝鮮、中国、ロシアを敵視する政策を推進することによって、朝鮮半島の新冷戦が生み出されました。尹錫悦政権は新冷戦時代に朝鮮半島で米国の政策を代行する政権でした。したがって、尹錫悦政権のような保守政権を根絶するためには、保守勢力に反対するとともに、保守を支える米国に反対する闘いを強化しなければなりません。すなわち民族自主権(主権)を打ち立てる闘争が重要です。韓国は内に向かっては国民主権が、外に向かっては民族主権(自主権)が確立されなければなりません。 

 尹錫悦に対する闘いによって、再び国民主権が確立されようとしていますが、依然として民族主権確立が大きな課題として残されています。


光復80年、朝鮮半島に平和を

 今年、わが民族は光復(8・15解放)80周年を迎えます。それから80年間、韓国に保守政権が登場するたびに、対北敵視政策によって南北関係が悪化しました。光復80年の今年、尹錫悦退陣と新政権登場を契機に、朝鮮半島の平和と安定が回復されなければなりません。

 私たちは、1月から出帆する米国トランプ2次政権が2018年2月のシンガポール宣言に基づいて、朝米の敵対関係に終止符を打ち正常化するよう、より一層世論を高めていきます。


日本、朝日正常化に決断を

 光復80年は、日本敗戦80年でもあります。近年、日本は米日同盟強化のもとで、過去清算に背を向けたまま、最大規模の軍拡の道を突き進んでいます。日本の軍事大国化の動きに韓国、朝鮮、中国、ロシアなど周辺国が警戒をより強めているのは当然のことです。

 東アジアは、新冷戦が深化し戦争への道に進むのか、新冷戦の流れをストップさせ平和、共存、繁栄の道に進むのかという重大な分岐点に立っています。日本は米国の覇権主義とは距離を置き、過去清算に誠実に向き合いながら、特に朝鮮との関係を改善すべきです。そうすれば、東アジアは平和の方向に大転換するでしょう。今年こそ日本は、朝日ピョンヤン宣言に基づき朝鮮との国交正常化を決断する時期です。


青年と女性の台頭

 昨年、ソウルをはじめ各地で開催された尹錫悦政権に反対する集会に多くの青年たちが参加しました。昨年12月、2回にわたる東京の尹政権退陣キャンドル集会にも、数百人の韓国青年たちが参加しました。そのなかでも特に女性の参加が目立ちました。在日同胞や日本人は、韓国青年たちが、痛烈な政治スローガンを叫びつつ、集会の合間でKホップや民衆歌謡を楽しく歌う姿を目の当たりにして、彼女らの高い政治意識、行動力、創造力に感銘を受けました。韓国では新たな時代を開拓する若者が着実に台頭しています。今後、アジアの平和を実現するうえで韓国青年パワーが大きな役割を果たしていくことでしょう。


新年、全力で平和実現を

 2025年、私たちは国際社会で戦争に終止符を打ち平和実現の光明がさす年になるよう、朝鮮半島に恒久平和実現の兆しが見える年になるよう、全力を尽くします。また韓国で民族自主が前進するなかで国家保安法が撤廃される年になるように全力を尽くします。

 新年が韓国、朝鮮、日本の国民にとって多幸な年であるよう心より祈願いたします。


2025年1月1日


コメント